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検査室支援情報

第65回日本臨床化学会年次学術集会

会 期

2025年11月7日(金)~11月9日(日)

会 場

ウインクあいち(愛知県)
https://www.apio.co.jp/enkai-kaigi/shisetsu/
参加費
  • 会員:13,000円
  • 非会員:14,000円
  • 大学院生:3,000円
  • 学部学生:無料
大会ホームページ https://square.umin.ac.jp/jscc2025/

 

コーヒーブレイクセミナー 3

日 時

2025年11月7日(金)16:50~17:40

会 場

第5会場(ウインクあいち 大会議室「1002」)

演 題

術中、産科、救命、獣医 ― 領域を超え、多様な現場で進化するPOC凝固検査

座 長 金子 誠 先生(三井記念病院 臨床検査部)
演 者 今春 真也(株式会社エイアンドティー 開発本部 CA開発部 IVDグループ)
内 容

エイアンドティーが製造販売している血液凝固分析装置および試薬カードであるドライヘマト™シリーズは以下の特長を備えている。小型であること。血漿・全血を問わずPT/APTT/Fibの3項目が簡単に測定できること。毎日の洗浄や保守が不要であること。試薬カードは1枚包装の使い切りのドライタイプであり、調製不要であること。これらの特長から、POC機器に近い運用が可能となっている。
当社は米国CDI社(当時)より技術導入したDRIHEMATO™ Systemを測定原理として開発を行っている。DRIHEMATO™ SystemはPT/APTT/Fibのそれぞれの試薬組成に磁性粒子を加え、装置に内蔵した磁石により磁性粒子を運動させるというユニークな原理である。測定初期では磁性粒子が活発に動くが、時間が経つにつれ血液の凝固(粘稠度の増加)に連動して磁性粒子の動きが鈍くなっていく。装置内部では磁性粒子の動作に光源を当てて反射した散乱光の強度を捉え、反応曲線として凝固点検知を行い、凝固時間を算出する。
このユニークな測定原理は検体色調の影響を受けない特長があり、全血検体での測定が可能であることから、ドライヘマト™シリーズは検査室の領域を超えて術中、産科、救命、獣医、多様な現場での運用が求められ、領域に応じてシステムをモデファイしている。例えば、術中や産科、救命では大量出血に対する止血戦略のための迅速Fib測定に応えるため、全血かつ無希釈によるFib測定を実現した。また獣医領域ではイヌ、ネコの血液凝固能を評価できるように試薬カードの再設計を行い、農水省の認可を得た。このように、ドライヘマト™シリーズは多様な現場にフィットさせるため、分析装置と試薬カードは豊富なバリエーションを揃えている。
本セミナーではドライヘマト™シリーズの測定原理を中心に、測定における反応波形の特徴などを解説するとともに、領域ごとに応じたシステムの特長ならびに運用事例の紹介をする。さらに、当社が今まで行ってきた各領域へ製品展開するための課題解決などを参加者と共有することで、今後の血液凝固検査への発展寄与できれば幸いである。