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検査室支援情報

第60回⽇本臨床化学会年次学術集会

会期(Web開催)

2020年10月30日(金)~11月1日(日)
参加費 一般参加(会員、非会員):10,000円
※事前参加登録期間は、10月16日(金)正午までです。
大会ホームページ http://jscc2020.umin.jp/index.html

 

機器試薬セミナー1

日 時

2020年10月31日(土) 9:00~10:00

演 題

血液凝固分析装置「FibCare」専用フィブリノゲン測定試薬「ドライヘマトFib-HSⅡ」のご紹介

演 者 中本 和哉(株式会社エイアンドティー 開発本部 開発第二グループ)
内 容 近年、大量出血症例に関する血液製剤の適正使用に関して様々な論文やガイドラインが発表され、止血戦略を考える上では、血漿フィブリノゲン濃度をトリガーとした血液製剤の選択がとても重要であることが広く知られるようになった。
多くの臨床検査室でフィブリノゲン測定を行っているが、大量出血現場である分娩室、手術室そして救急外来では、現場で即時に測定し、結果から止血対応を考えたいとの要望があった。そこで、POCT装置「血液凝固分析装置 FibCare」を開発した。しかしながら、これまで販売してきた専用試薬は検体を専用希釈液にて希釈操作を必要とするため、より簡便な操作性および検査精度に関して課題が指摘されてきた。
この度、本年4月に簡便かつ迅速にフィブリノゲン測定が可能な新試薬「ドライヘマトFib-HSⅡ」を発売した。ドライヘマトFib-HSⅡはこれまで必要であった希釈操作が不要なため、簡単かつ迅速に測定することを可能にした。対象検体は、クエン酸加血漿検体だけではなく、クエン酸加全血検体での測定が可能である。定量範囲は低フィブリノゲン血症の判断を行うために必要な範囲で設定した。血漿検体の場合は50~300mg/dL、全血検体の場合は80~300mg/dLとしており、どちらの検体種を測定する場合も大量出血症例時に重要とされる製剤投与のトリガー値(150~200mg/dL)が含まれている。カートリッジ試薬を採用し、測定装置の重さも3kg以下であるため、移動やメンテナンスも簡便である。今後、大量出血症例においてフィブリノゲン濃度を定量把握するための有用なPOCT装置として期待される。
本演題では新しい専用試薬「ドライヘマトFib-HSⅡ」について、血液凝固分析装置「FibCare」の測定原理も含めて紹介する。