SOLUTION
検査室支援情報
精度管理の考え方
本書の使い方・読み方
精度管理についてはこれまでも数々のテキストがあり、しばしば勉強会や講習会などが開催されていますし、臨床検査学校などにおいては必須の学科目ですから知らない人はいないでしょう。しかしながら、現場においてはサーベイの機会を除くと日常的にうまく精度管理手法を使っている施設が案外少ないようです。現在は臨床検査システムが、その労力を人に代わってやってくれるので、案外理論的なことを知らない人もおられるにちがいありません。とはいっても、臨床検査の現場では精度管理や品質保証を欠かすことができません。そこで、精度保証についての統計学的手法を学んでいただくためにテキストを作成しました。理論を理解したいといっても、数学的な記述の苦手な人もおられるでしょうから、本書の使い方・読み方について、つぎのどれかの自分にあった道を選んで取組まれることをお勧めいたします。
(1) お勧めできないがやらないよりずっとましなアプローチ
理論の理解はあきらめて、とにかく本書の"日常の作業に対する精度管理の導入(手順書)"と"ワークシート"を使って精度管理作業を実施する。
(2) 現実的なアプローチ
まずは、本書の作業手順書とデータ処理ワークシートを使って精度管理作業をやってみる。理論の理解はあとにして、現実の作業と突合せしながら少しずつがんばって理解していく。
(3) 本当にお勧めしたいアプローチ
ちゃんと本書の記述順番どおりに読解し、その上で精度管理作業を実施展開していく。
全ての読者が数式展開まで含めた理論上の理解に取組まれる事を希望しておりません。理論的なことの理解を抜きにしてでも、ここに記述しました精度保証の手法を実施してくださって、臨床検査技師だけが臨床検査のすべてを保証できることについて貴施設の関係者に納得していただけるよう努力されることを希望いたします。