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検査室支援情報

臨床検査における精度管理の考え方中 恵一

測定法採用時作業手順書とデータ処理ワークシート

(1)現在の測定法をよく把握する
性能、コスト、問題点 などを調査把握。
(2)新しく採用する測定法の選択
性能やコストの目標を設定。
(3)新測定法の選択とその性能・コストなどの確認
設定された性能やコストの目標をクリアする商品群のなかから、他の要因や政治的要因、戦略的要因などを勘案し管理的な視点から選択する。
選択後、性能およびコストなどの確認をおこなうとともに、採用測定法として揃えておくべき基礎データを採り文書として保管する。
(4)正しい校正、トレーサビリティの確立
新たに採用する測定法は、認証された上位の標準へトレーサブルでなければならないが、標準物質や測定法そのものがそのことを満足できるか確認し、採用後の継続的管理方法を決めておく。
(5)ロットを決める
同一条件測定として認められる基本条件(装置・作業担当者・キャリブレーション・試薬など)毎のロット分別を決める。
(6)精度管理用物質を決める
予備実験や経験から決め(出来れば高低の複数濃度で)、その保管管理と使用法を標準化すること。
(7)管理目標の設定
-s管理図法にもとずき、管理目標(上方管理基準と下方管理基準)を決める。 無意味な精緻さ追求はくれぐれも避けるよう、管理幅の狭さが良い管理を意味しない。
(8)ロットへの抜取り検査方法の設定
精度管理物質をロット毎の検体列のどの席に置くか、毎日の測定において精度管理物質の挿入位置がランダムさを守れるように挿入方法を決定する。
(9)管理図判断基準の明確な設定
精度管理物質の測定値が上方管理基準や下方管理基準から外に出たら、即アウト! ではない。例えば、連続した35回で1回のはずれは管理範囲内であるとするような統計的根拠のある判断基準を設計設定する。
(10)標準化と習熟
日常作業に関わるすべての工程を標準化する。担当者が替わっても、試薬ロットが替わっても、全く均一な測定結果を返すために、必要な作業をすべて標準化し、誰がやっても同じ精度が保証できるようにする。
  • 標準化のための第1ステップ
    作業手順書として表される作業標準を設定する。
    担当責任者の設定
  • 標準化のための第2ステップ
    すべての検査技師が同じ水準で計測を行えるよう教育訓練をおこなう。
    標準化された事項はすべて文書化・マニュアル化し、必要に応じて内容を改訂してゆくこと。