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検査室支援情報

精度管理の考え方中 恵一

Q25 Answer

Q.25

大変初歩的な事ですが、生化学、血液一般の精度管理で、機械のメーカーからのコントロールを使っているのですが、コントローラーごとについてくる管理範囲の中心値は、精度管理を行う際の中心値として使用することはできるでしょうか。(東京都 I様)

A.25

例えば、一般的に用いられている管理図法のような場合、図の中心線は自施設の当該自動分析装置で、日にちを変えて多重測定をしたデータから平均値を求める方法で得られます。
この方法は、日数も経費も掛かることになり、ごく普通の検査室においては不都合な点があるでしょう。
したがって、最初は中心線を決定することなく毎日測定を繰り返し、数週間した時点で平均値を求め中心線を決定するのがよろしいかと考えます。

そこで、「コントローラーごとについてくる管理範囲の中心値」を仮の中心線として進めて行かれる場合、測定回数が100回ほどになったら、その中心線が適しているかどうかを検定されるとよいと考えます。
中心線より高い測定値と低い測定値が半分ずつになるのが、統計的なばらつきになります。実測値からの計算で得られた平均値とずれがなく、今申し上げたばらつき方であれば申し分ありません。

ただし、2回測定の「差分」として得られるRはメーカーが提供してくれないと思いますので、中心線を検定する際に、求められるとよいかもしれません。

中 恵一
2016年2月16日