SOLUTION
検査室支援情報
精度管理の考え方
数理統計学で使う基本的な用語
確率変数 random variable
多数の因子によって影響を受け、それらの因子による変動はそれぞれわずかであり、しかもすべて相互に独立であるようなとき、多重測定によって得られる測定値はランダムさに支配されている。ある測定系から生じる測定値のように標本空間上で定義されている変数Xを、確率変数Xと呼ぶ。無限系列の値、もしくは有限個の値を点として与える確率変数を離散確率変数 discrete random variableといい、1つまたは2つ以上の区間の中で任意の値を取ることのできる確率変数を連続確率変数 continuous random variableという。我々が臨床検査として多く関心がある測定値は、任意の値を取るので連続確率変数である。
ある出来事Aが起きる確率を、P{A} で表すことにすると、確率変数Xがxという値を取る場合、すなわち、X=xとなる確率は、P{X=x} と書くことができる。臨床検査においてある測定系から生じる測定値を、確率変数Xとするならば、偶然に測定値が予想されたある値xになることはきわめてまれであって、その確率は限りなくゼロに近いと考えて良い。これを式で表せば次のようになる。
P{X=x}=0