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検査室支援情報

精度管理の考え方中 恵一

数理統計学で使う基本的な用語

期待値

 ある試料に対して多数回の測定を行い、測定値の平均を得ると、その試料に対する期待値:expected valueになる。
 確率密度関数f(x) をもつ連続確率変数Xの分布については期待値を、E(X) と表すことにすれば、それは次式で表される。
   
 ここで、確率変数Xのある値が、関数g(X) で、値g() を与えるとすれば、確率変数Xについて関数g(X) の期待値は、次式で与えられる。
   

 ここで言う期待値を離散変数で平たく説明するなら、ある値が出る確率をPx として、ある値が出る期待値は、次式で与えられる。
   
 これは、「さいころで5の目が出る期待値」などを議論することに当てはまる。
 そこでさらに、ある値が出たとき、g() という値をとることを問題にしているとき、その期待値は次式で与えられる。
   

 これは、さいころで宣言した目が出たとき、「目の数×1万円」がもらえるとするなら、「さいころをふって、もらえる賞金の期待額」というような場合である。このとき、g(x) = ×10,000  である。
 確率変数Xの期待値は、通常その確率変数に関する分布の平均値である。
 モーメント(積率)は、期待値の特別な場合としてこれに含まれる。