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検査室支援情報

精度管理の考え方中 恵一

数理統計学で使う基本的な用語

精度管理の議論でこれから用いる用語には、解釈が厳密でなければならないものがいくつかある。
臨床検査は、応用科学の範疇にある学問で、技術を議論するものである。しかし、技術の背景には必然的に理論が存在する。現実のものとしてそこにある技術的なものを理解するだけでは、真に技術を正しく運用できない。こうした理解には、専門的な用語を使うことになるが、概念を議論する上で必ずしもすべての用語から形而上のものを排除できない。形而上のことを理解するために形成される概念は、この分野にかかわる人たちすべてに共通の理解が得られなければ、応用の場面で違った解釈が混じることになる。例えば、すでに何度か用いた「正確」であることや、「正確性」は概念上の議論でしか扱えない用語であって、証明することなどできない。我々が現実にコントロールできるのは、「不正確さ」である。
こうした議論を進めるために、自分だけの解釈ができる限り混じらないよう、すでにこの世界で議論されるとき理解されている通り、基本となる用語を共通の理解とする必要がある。また、精度管理の専門的な用語は、いたずらに臨床検査の分野だけの造語をするのではなく、日本工業規格(JIS)ですでに定義されているものをできる限り利用したい。
JISは、主に、K0211、K0501、Z8101、Z8402による。