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検査室支援情報

検査室総合マネジメントのすすめ

機能面評価

機能面評価シート 2

(5) 分析グラフシート

1. 検査室機能面評価総合スコア
機能面と品質面のポートフォーリオ・グラフで、検査室の総合的な機能を表します。
ベンチマークとして4施設のデータと比較して自施設のポジショニングを明確化し、改善に向けた総合指標として用います。右上部に位置するほど機能面の総合評価が高いと示されます。

1. 検査室機能面評価総合スコア

2. 検査室ポートフォーリオ総合評価 (コスト指数VS機能面評価)
機能面評価値とコスト指数値によるポートフォーリオ・グラフで、検査室のコスト面を含んだ総合評価を表します。ここでは左上部に位置するほど、高い検査室機能を低コストで実現していると示されます。
つまり、同じ機能面評価スコアでも、コストが低く押さえて、成し遂げられているのか、そうでもないのかを機能面評価のコストパフォーマンスを示したグラフと言えます。

2. 検査室ポートフォーリオ総合評価 (コスト指数VS機能面評価)

3. 検査室機能面総合グラフ (相対評価グラフ)
機能面評価シートの結果・分析では自施設の自己絶対評価を行なったのに対して、検査室機能面評価総合グラフでは、他施設との相対評価を行ないます。このグラフ上にはご協力いただいた9施設のデータの平均値と標準偏差値から、1SD範囲を表示しました。これを基準範囲として、相対的に自施設の機能を他施設と比較し、ポジショニングして今後の改善指標となるようにしました。

3. 検査室機能面総合グラフ (相対評価グラフ)

4. 今後特に求められる検査室機能への追加
私どもは今後特に求められる検査室機能として、a)チーム医療への貢献や臨床支援、b)採算性への感覚、c)変革への意識や先進性、変化への対応力、d)患者サービスへの意識、e)リスク面への意識の5項目を考えました。

これら5項目のバランスを確認することで、現状の検査室機能面上の強み、弱みを明確にすることができます。

4. 今後特に求められる検査室機能への追加

5. 検査室機能マネジメント評価
私どもが推奨している検査室マネジメントであるQCRKマネジメントから見た検査マネジメント上の強みと弱みのバランスを示します。

Q (Quality-Management)ではa)品質のマネジメントb)精度管理のマネジメント。C (Cost-Management)はc)コストのマネジメント。R (Risk-Management)はd)医療過誤(検査過誤)に対するマネジメントe)アクシデントに対するマネジメント。そして、K (Knowledge-Management)はf)教育のマネジメントg)知識のマネジメントの7項目に検査室マネジメントを分解して、検査室機能としてのマネジメント力の過不足を評価します。

5. 検査室機能マネジメント評価

(6) 改善計画シート

今回の検査室機能面評価シートの質問はいくつかの評価項目で評価できるよう工夫しているため、回答により、質問の意図となる検査室改善のためのキーワードが抽出可能となりました。検査室改善のためのキーワードは今後のDRG/PPSや(財)日本医療機能評価機構、CAP-LA、ISO9001およびISO15189(TC212で作成中であり、承認後、病院検査室機能認証に使用される可能性の高い規格)を睨んだもので、以下の14項目としました。

  1. 手順のマニュアル化
  2. 精度管理
  3. 検査コンサルテーション能力・診療支援
  4. リスク面への意識
  5. 地域との連携
  6. 患者接遇
  7. 迅速検査・夜間検査
  1. 保守管理
  2. 適正配置
  3. 広報活動
  4. 廃棄物管理
  5. 在庫管理
  6. 情報管理
  7. 予約検査

このキーワードは不足頻度の多いものから順に並び直され出力されます。

また、この改善計画シートの付加機能として、(財)日本医療機能評価機構の機能評価の取得を考えた場合に、要注意と思われる自己評価調査票Ver4.0項目を列記できるようにしました。これは、病院機能全体として自己評価調査票は設計されていますが、検査室機能に置き換えて、検査室機能として必要と思われる項目を表示します。ですから、この項目はすべてをクリアしなければ、取得することができないということではなく、将来の検査室機能を考慮した場合、付加機能として必要な項目になるであろうと考えられます。

以下は1例です。

項目 確認項目
1.9 地域の保健・医療・福祉などとの
連携と協力
1.9.1 地域の保健・医療・福祉などと適切な連携が
図られている
3.8 災害時の対応 3.8.1.4 停電時の対応体制が整っている
3.8.2 大規模災害発生時の対応体制が整っている
4.5.1 臨床検査部門の体制が整備されている 4.5.1.3 施設・設備・機器が適切に保守・点検されている
4.5.2 臨床検査部門は適切に運営されている 4.5.2.1 検査結果の報告の手順と方法が確立している
6.1.4 職員の労働安全衛生に取り組まれている 6.1.4.4 職員の事故への対応がなされている