SOLUTION

検査室支援情報

検査室総合マネジメントのすすめ

機能面評価

協力9施設での内容解析

今回は、以下の9施設のみなさまに賛同いただき、アンケート調査を行ないました。

A公立病院(300床)、B公立病院(600床)、C私立病院(300床)
D私立病院(300床)、E私立病院(200床)、F公立病院(500床)
G私立病院(1000床)、H公立病院(600床)、I公立病院(500床)

この9施設のアンケート調査情報を基にして、検査室機能面評価シートで使用しているベンチマーク・データとしました。

(1) 機能面の傾向

9施設のアンケート調査の結果グラフです。棒グラフの範囲はそれぞれの評価項目での平均値と標準偏差値から取った1SD範囲です。
各施設の傾向として、「業務としての質」、「チーム医療の貢献/臨床支援」、「患者サービスへの意識」が比較的高評価で、ばらつきが少なく、逆に「品質面への意識」、「リスク面への意識」、「アクシデントに対するマネジメント」、「知識のマネジメント」が他の評価に比べ、低値で、ばらつきの大きな評価項目でした。つまり、日常の対人業務や検査業務といった分野の改善は積極的に取り組まれているが(意識が高いが)、検査室内部でのリスク・マネジメントや検査知識やノウハウに関しては担当者任せの傾向が多く見られました。

(1) 機能面の傾向

(2) 改善キーワードの出現傾向

改善提案シート上に出現するキーワードをまとめました。
出現頻度は「リスク面への意識」、「地域との連携」、「検査手順のマニュアル化」が上位を示しました。今後の検査室機能を考えた場合、現検査室機能より、より高いレベルでのリスク・マネジメントや検査品質の標準化、所属地域での他の医療機関との連携が要求されるようになると思われます。一般的に検査室が取り組む課題として、早急な対応が望まれると考えられます。

(2) 改善キーワードの出現傾向

機能面評価シートをどう使うか?

  • 検査室を経済的側面のみで解釈するのではなく、検査室の機能的側面からも考慮することができる。
  • 絶対評価や相対評価(他施設(ベンチマーク)と比較すること)で、検査室再構築の際の方向性を明確化できる。