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検査室支援情報

検査室総合マネジメントのすすめ

代表20項目平均コスト指数

協力6施設での算出具体例と内容解析

(2) ASTのコスト

ASTのコストとその要素をグラフに示します。後ろの2次元棒グラフは年間の依頼総数で、病院名下にその数字を示します。

当然のことですが、依頼数が多い施設はコストが低い傾向が見られます。A病院およびB病院はほぼ同じ依頼数ですが、総コストはB病院がやや低く、またコスト構成内容に大きな差異があります。B病院の人件費はA病院より高額ですが、試薬費その他のコストを削減することでコストを抑えています。つまり、比較論で言えばA病院はB病院に比べ高い試薬を買い機器・システムに過剰投資をしているのではないかと示唆されます。A、B病院より小規模のC病院、D病院はともに同じくらいの依頼数とコストですが、こちらも構成内容に大きな差異があり、CとDで分析機とシステムの構成比が逆転していることが象徴的です。つまり、D病院での分析装置集約化・分野統合化をLAS/LISのシステムで実行し省力化を行なっていることが数字に表れています。F病院の試薬費が高いのは、サービスを重要視した結果ですが緊急検体専用装置を試薬リースで使用していることが原因です。(F病院以外の施設では、ルーチンと緊急ともに同じ分析機を使用し緊急報告運用をしています)もちろん、F病院は早急な改善が必要なようです。

AST

AST A公立病院
(1,000床クラス)
B私立病院
(1,000床クラス)
C公立病院
(500床クラス)
D公立病院
(500床クラス)
E公立病院
(300床クラス)
F私立病院
(300床以下)
年間依頼数
(件)
113,692 111,664 65,420 68,360 48,655 18,644
AST総コスト
(円/テスト)
76.0 59.3 97.2 100.7 90.7 166.7
人件費
(円/テスト)
35.4 45.7 54.1 53.1 44.9 69.9
試薬・消耗品
(円/テスト)
11.4 3.5 18.1 15.1 20.3 72.4
システム
(円/テスト)
20.1 5.7 6.1 24.4 14.8 19.0
分析機
(円/テスト)
9.1 4.4 18.9 8.1 10.7 5.4