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検査室支援情報
Lab Column
医療DXの推進と臨床検査
2026年6月の診療報酬改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算は廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設された。加算1は15点、加算2は9点、加算3は4点の3段階となり、これまでの医療DX推進体制整備加算(最大8点)よりも増額された。初診・再診・入院で点数が異なるが、医療機関にとってかなりの増収が見込める。政府は2030年までに、ほぼすべての医療機関に電子カルテの普及を目指しており、今回の改定ではさらなる医療DXの推進が求められている。
電子的診療情報連携体制整備加算を算定するためには、厚生労働省が定めた施設基準を満たさなければならない。例えば、同加算1を算定するためには、▽オンライン資格確認を行う体制▽マイナ保険証の利用率が30%以上▽電子処方箋が発行できる体制▽国などが提供する電子カルテ情報共有サービスへの対応▽地域の複数の医療機関間のネットワークによる検査結果や画像情報等の診療情報を共有・閲覧できる体制――などである。これらは単にシステムを導入するだけでは加算は算定できない。実際に得られた診療情報を活用することが求められる。
すでに数年前から電子カルテ情報共有サービスの導入に向けた検討が始まり、2026年末にも本格的な運用が始まる予定である。しかし、臨床検査室の関心、対応が遅れているように感じる。現在(2026年8月)、電子カルテ情報共有サービスには、救急領域、生活習慣病領域、感染症関連として検査43項目・感染症5項目の臨床検査が使われる。これらの検査結果を施設間で共有するためには、臨床検査項目分類コード(JLAC11)をひも付けることが必要になる。
検査項目によって単位や基準範囲などの問題点が指摘されており、解決に向けた取り組みが早急に必要である。医療機関が「電子的診療情報連携体制整備加算1」を算定するために、臨床検査部門が率先して施設基準をクリアし、臨床検査以外の部門をけん引してほしい。決して臨床検査部門が足かせになってはいけない。
今後、電子カルテ情報共有サービスにおける臨床検査の項目数は拡大される見込みだが、まずは検査43項目・感染症5項目のJLAC11による採番を行い、施設間の情報共有に向けた取り組みを進めてほしい。日本臨床検査医学会は、これら検査43項目・感染症5項目のJLAC11コード表を作成し、医療機関での採番に向けた取り組みを後押ししている。
電子カルテ情報共有サービスの中で、臨床検査は一部に過ぎない。しかし、患者の初診時に、医療従事者が患者の病歴や過去の臨床検査データを把握できる意義は大きい。施設間のデータを共有するメリットを考えつつ、医療DXの推進に向けた取り組みを一層進めていただきたい。
2026.09.01