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Lab Column
厚労省、臨床検査コードはJLAC11を推奨
厚生労働省は7月1日、標準規格として電子カルテなどで使う臨床検査コードをJLAC11とすると発表した。これまで厚労省は臨床検査コードとしては厚労省標準規格であるJLAC10の使用を推奨していたが、実際にコードが統一されていないため、システム間で情報連携が容易ではなく、現場のコストが増大する一因となっていた。
厚労省は2011年、臨床検査コードをJLAC10とすることを決めた。その後、JLAC11が登場したものの、医療機関でのJLAC10やJLAC11の利用率は非常に低く、LOINCやユニークなハウスコードなど複数のコードが併存している。JLAC10とJLAC11はともに5つの要素で構成されているが、要素名が同じでも分類コードの設計が異なるため、JLAC10とJLAC11は1対1に対応しない。さらにJLAC10は検査結果の単位が含まれないといった課題があった。
一方、それらを解決したJLAC11は検査領域のカバー率に課題を残す。このためコードの付番や維持管理のために厚労省は、JLACセンターの活用を挙げている。さらに、JLAC11のカバー率の課題を解消するために、使用頻度の高い検査項目から付番するとしている。
厚労省は患者の医療情報を共有するために、2030年までにすべての医療機関を対象に電子カルテの整備や部門システムのクラウド化を進めている。すでに電子カルテが導入されている医療機関では、システムの更新時に電子カルテ情報共有サービスに対応できるような改修を求めている。
また、厚労省は電子カルテが導入されていない医療機関では、1つのシステムを複数の医療機関で共同利用することを目的に、廉価なサービス提供が可能となるマルチテナント方式のクラウド型電子カルテの導入を想定している。電子カルテの改修、または導入にあたり、電子処方箋と一体的な導入を求めている。
さて、中央社会保険医療協議会(中医協)では2026年診療報酬改定に向けた議論が進んでいる。2024年の改定で「医療DX推進体制整備加算」が新設され、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋の体制整備を求められた。
しかし、大規模な医療機関ほど電子カルテはすでに普及しており、医療機関内での使用が前提となっているため、情報共有サービスに向けた関心は低いようだ。情報共有サービスを導入するためには、JLAC11の付番、採番が必要になる。システムの改修とともに付番・採番の作業をどのように進めるかが課題。今後、情報共有サービスのメリットが医療関係者に理解されなければ、標準化に向けた取り組みは難航しそうである。
2025.08.25